妹と私が同時に寝込んでしまい、病床の母が心配している。
母が天に願ってくれている姿が目の前に映り、母の懐かしい香りのする愛情が身体を包み込み、温度まで伝わってきた。
身体を手放す準備に入った人の念は、何と不思議な形態なのだろう。
心配かけてごめんなさい。
母の愛情に触れる。
愛情の枠がどんどん広がっていくのが視える。
愛情は、いつか愛になれると思っていたけれど、何となく、その起源は対局くらい別物のような気がする。
愛だと信じて疑わないそれは、 大小の枠を持つ愛情だったように思。
愛情も素晴らしいものだけれど、時に、対局として枠外のものへの裁きや争いの種にもなる。
私は愛情深い母に育ててもらい、愛情をたくさん持っているけれど、この愛情を克服し、生かされているうちに愛を持つことができる日は来るのだろうかと、ふと思う。
母を感じては、人生の様々なことを考える。
寝ても覚めても、人の子だ。