雨の迎え火

迎え火や送り火の時はなぜか雨が多い気がします。

嫁ぎ先では、古くは、(親族だけの)墓地から家までご先祖さまをご案内するかのように、転々と迎え火とお線香を順番に置いていったそうです。

今は、墓地と屋敷の中間、どちらもが見える場所の我が家の土地に迎え火を起こします。

昨年の稲刈りの時に取っておいた藁の束の裾を広げて円錐形にして火を灯します。

 

今年は、義父の弟がコロナの後遺症の間質性肺炎でなくなり、新盆があったのと、今年は亡くなられたお方が異例の多さでお見舞いも手分けして回って、夜遅くの迎え火となりました。

 

新盆は、大阪の実家では「初盆」と呼んでいました。実家の方ではこれと言って大きな供養ではなく、普段のお盆の1週間前に祭壇を設けて、極楽浄土を思わせるような美しい回転灯籠をつけて行い、家族や親族以外はどうしてもお参りしたいと思ってくださるお方だけがただ手を合わせに来てくださる形でした。

こちらの新盆の風習は、第二のご葬儀のように、立派な祭壇を特別に設けて、お近所さんやお付き合いのあるお方などが次から次へと新盆見舞いを持ってお参りに来られ、新盆見舞いのお返しをその場でお渡しします。

ご葬儀と違って、ご都合のいい時間に来られるため、前後の日と、13日の当日の朝から晩まで、ご家族とご親族とで接待します。

祭壇の前で故人の思い出を語ったり、ゆっくりとそういった時間を持てるのは、きっとあの世で修行に励む故人の大きな励みになっていると思います。

 

今朝は、お墓参りへ。

お墓には、” 盆花 "と呼ばれる「禊萩(みそはぎ)」と、”あられ”と呼ばれるきゅうりと茄子を1cm角のサイコロ状に刻んだものと生米を混ぜたもの、そしてお線香をお供えします。

親族墓地なので、全てのお墓へ”盆花” ”あられ” ”お線香”を少しずつ分け合い、お供えします。

 

15日の中日は、お素麺と七色(七種類)の野菜をお供えします。

この辺りでは、1日早い15日の夜に送り火をたいてお見送りします。

 

16日は、朝、墓地の”あられ”と”盆花”をお下げし、通常のお花に取り替えてお参りして、お盆の行事が完了です。

あいにく16日は夫の通院日で、早朝から遠方の病院へ連れていくために、お墓参りは参加できませんが、また翌日にでもお参りしようと思います^^

 

お盆は、ご先祖さまをおもてなしする嬉しさと、扉が開かれることからくる騒がしさに気分の優れなさと体調不良で、昔から好きなのに苦手という複雑な期間でしたが、毎年、精一杯をやるだけだなと、歳を重ねて少しだけ穏やかに過ごせるようになりました。

全国のご先祖さま達も、大切な子孫やご家族とのお時間を、ゆっくりと過ごしていただきたいです。

私も思えば通じるご先祖さま達との時間を、大切に過ごします。

 

全ての皆様にとって、感謝と愛と慈しみに溢れる、素敵な逢瀬でありますように。

 

 

(夕暮れの親族墓地の風景)