神職になるための学校がありまして。
様々なのですが、私が通ったのは、その業界でも最も厳しい修行をする学校でした。
全寮制で、入学式当日から1週間、錬成会で洗礼を受けます。
ある程度のふるいの役目もあり、今よりももっと厳しかった時代には、逃げ出す人が半数いたとか。
私の時代にも、唯一の同じ女性が、何度も逃げ出しかけ、皆で励ましました。
不思議なことに、私は全く厳しいと感じず、唯一泣かされたのは食事の量の多さでした。
育ち盛りの男の子でも多いと感じる量を、残さずに食べないといけないというのが、一日中板間で正座することよりも苦痛でしたね^^;笑
その錬成会を終えると、本格的な学びが始まります。
在学期間中、実家の家族が縁ある熊野三社へ参拝に出かけたそうで、お土産を買ってきてくれました。
鯨さんの歯の工芸品のブローチでした。
姉と妹にはそれぞれバラやボタンの華やかなブローチ、私には何故か梛(なぎ)・・・笑
ちょっとちょっと!と抗議すると、購入の際にも、父が「宮にはこれなんだ!」と言って譲らなかったと聞きます。
熊野三社の御神木は、梛の木。春日大社もですね。
実のついた梛のブローチは、着ける機会はないものの、今でもこうして大切にしまっていて、時々ふと会いたくなり引っ張り出してきます。
長年奉仕させていただいた神社の裏庭にも、若い梛の木さんがいらして、心が沈むときには何となく会いに行きたくなって、少しの時間眺めたり、葉を撫でたりしていました。
そして、娘の初めてのお友達の名前は、「梛」君。
少し笑ってしまいました。
今も、梛の木に会いたくなります。
でも、父が贈ってくれたこのブローチで我慢しますかね^^